動画編集は独学かスクールか、判断の順番
動画編集は、お金をかけずに始められる部類の技術です。無償のソフトがあり、操作を解説した動画も大量にあります。それなのに、10万円から30万円の講座が売られています。
この記事では、独学で埋まる部分と、埋まりにくい部分を分けて考える方法を書きます。講座の良し悪しではなく、判断の順番の話です。
結論:先に「作る」。判断はそのあとで足りる
順番はこうです。
- 無償のソフトで、実際に3本ほど作ってみる
- 止まった場所を書き出す
- 止まった場所が「操作」なら、無料の解説で埋まることが多い
- 止まった場所が「操作以外」なら、講座を検討する意味が出てくる
先に講座を選ぶと、自分が何に詰まるのかが分からないまま金額だけで比べることになります。数本作ってからのほうが、講座の説明を読んだときの判断が速くなります。
無料で始められる範囲は、思ったより広い
DaVinci Resolveには無償版があります。デジハリ・オンラインの動画クリエイター講座でも、使用ソフトとしてDaVinci Resolve(無償版を使用)と明記されています。有料講座が教材として使うくらいには、無償版でできることがあるということです。
WindowsのClipchampも、無料・インストール不要の編集ソフトとして講座の題材になっています。朱雀スタジオは、この使い方を扱う単独講座を出しています。
つまり、ソフト代ゼロで、カットとテロップと書き出しまでは到達できます。ここまでを自分でやってみるのに費用はかかりません。
出典(2026年8月21日確認): デジハリ・オンライン 動画クリエイター講座 / Microsoft標準の動画編集ソフトClipchampの使い方(朱雀スタジオ)
独学で埋まりにくい3つ
数本作ると、操作の壁と、それ以外の壁が分かれてきます。ひとりで埋めにくいのは、だいたい次の3つです。
1. 他人からの指摘自分の動画は、自分では判断できません。テンポが悪いのか、音が聞き取りにくいのか、構成が悪いのか。他人に見てもらわないと切り分けられない種類の問題があります。講座に課題添削がある場合、買っているのはここです。
2. 締切独学は締切がありません。「期間無制限」をうたう講座も、この点では独学に近い性質を持ちます。逆に期間を区切る講座は、締切そのものを提供しています。自分がどちらで進む人かは、過去の自分の行動から判断できます。
3. 「何を作るか」の決め方操作を覚えても、依頼を受けたときに何を作るかは別の技術です。構成、話の順番、音の整え方。ここは解説動画を検索しにくい領域で、体系立てて教わるほうが早いことがあります。
費用の比べ方
| かかるお金 | 出典 | |
|---|---|---|
| 独学(無償ソフト) | 0円 | DaVinci Resolve無償版、Clipchamp |
| 独学(Adobe製品を使う) | Adobe CC 12か月版で+68,800円(税込)の記載あり | デジハリ・オンライン公式ページ |
| 講座 | 99,800円〜295,680円(税込) | 各校公式ページ |
金額はすべて2026年8月21日時点の公式ページの記載です。比べるべきは金額そのものより、上の3つのうちどれを買っているかです。添削がない講座に添削の対価を払っても、埋めたい部分は埋まりません。
各講座の条件は動画編集スクールの費用と期間を比べるにまとめています。
収入を前提に決めない
講座の広告には、受講後の収入を示すものがあります。この記事では、収入や受注の見込みを判断材料にしません。今回読んだ講座で、受講者の受注実績を第三者が検証できる形で公開しているものは見当たりませんでした。
受講費は、回収できる前提ではなく、出せる金額の範囲で決めてください。分割払いを使う場合は、合計額が一括を上回ることがあります。実際、朱雀スタジオの養成コースは3回払いの合計が一括より19,900円ないし29,700円多くなります。
独学を選ぶ人、講座を選ぶ人
独学が向く人- 締切がなくても手が動く人
- 見せて意見をもらえる相手がすでにいる人
- 作りたいものが決まっていて、操作だけが足りない人
- ひとりだと止まる自覚がある人
- 作ったものを見て指摘してくれる相手がいない人
- 用途が決まっていて、その用途の作法ごと教わりたい人
3つ目に当てはまり、用途が教材や講座の動画なら、動画教材の編集は何が違うのかもあわせて読んでください。汎用の編集講座では扱いが薄い部分があります。
まとめ
- 先に無償ソフトで3本作る。判断はそのあとで足りる
- 独学で埋まりにくいのは、指摘・締切・「何を作るか」の3つ
- 講座はこの3つのどれを買うのかで選ぶ。収入の見込みを前提に金額を決めない
よくある質問
無料で動画編集を始められますか。
始められます。DaVinci Resolveには無償版があり、デジハリ・オンラインの動画クリエイター講座でも無償版を使うと記載されています。WindowsのClipchampも無料・インストール不要のソフトとして講座の題材になっています。まず無料のソフトで数本作ってから、有料の講座を検討しても遅くありません(2026年8月21日確認)。
独学とスクールで、費用はどれくらい違いますか。
独学の主な出費はソフト代です。Adobe製品を使う場合、デジハリ・オンラインは公式ページに「Adobe CC(12か月版)+68,800円(税込)」と記載しています。講座は今回調べた3つで99,800円から295,680円(税込)でした。無償ソフトで独学するなら、差は講座代そのものになります(2026年8月21日確認)。
独学では埋まりにくいのはどこですか。
操作以外の部分です。作ったものへの他人からの指摘、締切、そして「何を作るか」の決め方は、ひとりだと確保しにくくなります。講座を選ぶときは、この3つのうちどれを買うのかをはっきりさせると比較しやすくなります。
単価や収入は講座を受ければ上がりますか。
この記事では判断できません。今回読んだ講座のうち、受講者の受注実績を検証可能な形で公開しているものはありませんでした。収入の見込みを前提に受講費を決めることはすすめません。